月別アーカイブ: 2015年9月

ワインで乾杯-2  高橋 禮子

 

ワインで乾杯-2
高橋 禮子

ピリオドをひとつ打つだけこれからは思いのままのシナリオ書ける

辞めていくわたしを羨む友の友のあり同じ希望を持つのかもしれぬ

大空に大きく書いたへのへのもへじ消さずにすんだわたしの落書き

わが心思いのままに遊ばせる空間桜と共有しており

常備するナロンエースを飲むこともなく四月が終わらんとする

職業欄どう書けばよい伸び切ったゴムのようなる暮らし十日目

おそらくはお蔵入りなり教室のビデオが三十二巻残れり

クロスする飛行機雲を黙示とし辞めると決めたワインで乾杯

ワインで乾杯  高橋 禮子

 

ワインで乾杯
高橋 禮子
特別室をかえた教室入口がひとつあるのみふくらむ風船

ガリバーの悲哀を知ったどっきりの言葉飛び交う教室にいて

「先生の老後は僕が見て上げる」まだまだ遠い先のことです

ぶらんこの競争しようと子が誘う勝算なけれど負けたくはなし

犬小屋の上に飛び乗り吠える犬わが存在が警戒されたり

道ばたの石ころ蹴らぬ蹴ったとてどうにもならぬ今日の一件

薔薇    高橋 禮子

 

薔薇
高橋 禮子

ときおりはそれたくもなる従順なてまりのように弾みながらも

さやさやと囁く声す振り向けば「それでいいです」いぬふぐり咲く

林立のビルのあわいにニコライ堂の屋根がなにやらメルヘンチック

仕事より解放された私を独占できそうサクラいっぱい

渦となりわたしを巻きいるさくらばなスタートの日のよそおいとせん

平日の昼をゆうゆう歌論議今だからこそ今を充たさん

大空に薔薇という文字いくたびも書いて気付けり人ふたりいる

さくらいっぱい   高橋 禮子

 

さくらいっぱい-1
高橋 禮子

最高の喜びわたしも欲しいから深呼吸する天まで届け

よい歌を詠めたらいいながいつよりか詠みたいになり詠もうに変わる

シンプルに装いながら詩を含み余韻響かす歌を詠みたし

使うことんあいままいつかワープロも古くなりたり時間の脅威

しわしわのミカンを食めり好きだから好きこそ物の上手なりけり

教室の窓よりグランド見下ろせりウイニングランはここにはあらず