月別アーカイブ: 2016年4月

コラージュタイム 高橋 禮子

コラージュタイム

高橋 禮子

私のかける電話のその一ついつでも近くにいませんばかり

同郷のよしみとばかりJリーグ鹿島二連覇もろてにつかむ

強さとはかくして積み上げゆくものぞ野沢のゴールの値千金

ときおりは袖を通さん並びいる服の退屈紛らわすために

歌集など出すよりお洒落をしてごらん捨てておけない春の囁き

明治生まれの父がテニスをしてたこと近ごろしみじみ眩しと思う

旧姓を呼ばれ一気に若返る今と昔のコラージュタイム

集いくるYMCA・OBの輪の中にあり渦まろやかに

ダザートを三人分もたいらでてガラスの器とにらめっこする

夢のような  高橋 禮子

 

夢のような
高橋 禮子

犬の引く気球に乗って海上を見下ろす夢はいったい何だ

気球より眺める海のすばらしさ落ちることなど思いもしない

どうしようと思う間もなく海面を漂う気球に私が乗ってる

引く犬よがんばれ頑張れそれのみでいつしか現に戻りていたり

夢もまた体験ならん目覚めればペン走り出す歌を転がす

海上を漂う不安さえ今朝の私の力になってる

現実は夢にはあらずシカレドモ夢のようなは正しくうつつ

ふたつの花芽   高橋 禮子  

 

ふたつの花芽
高橋 禮子
地震とは揺れるものなりしかれども揺れてはならぬ自信というもの

短歌にもあるなら打たんホームラン響き迫力みんなの反応

どちらでもよいのだけれど買ってしまった傷あるりんご

文法に誤りありと言われても修正できない飛び出すことば

踏み切ってしまえばこちらのものならん思いもよらぬ結果を得たり

南の角に    高橋 禮子 

 

南の角に
高橋 禮子

この道を歩むほかなし目を細めみつめてうれしわが道のあり

全国の天気予報に目を向ける今日のくらしをワイドにせんと

わが庭に春を呼ぶのは西洋シャクナゲ南の角に淡きももいろ

イメージを変えてごらんよ禮子さん笑う烏が落とすフレーズ

うたげの席の司会任され二つ三つ若返れそう三月七日

ひのきの湯にどっぷり浸かり無に戻るああ私は生きているのだ

3・11の空 高橋 禮子

3・11の空(水戸にて)
高橋 禮子

夢のよう否夢でない空いろの光が飛行す南より北へ

あの夜見た星の輝き忘れない三つきを過ぎても思い続けて

情報が絶えて水なし電気なし空のとりこになりたるわたし

大空は私に見せてくれましたいつしか空がカラフルバルーン

ピンクあり空いろ黄のいろむらさきも丸い光が天を彩る

玄関の内側に立つ私にガラスが透かすふしぎな世界

雨にガラスが濡れたと見ればまあるい光すべてが消えて確かに暗夜