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連歌ー12

 

 連歌ー12

 二裏

 1、霧深き不破の関守ひとり酒      裕雄

 2、 いまは医者にて句碑ばかりなり   忠夫

 3、刻まれし字句厚らかに苔むして    紅舟

 4、 修羅道におつ妄執のあと      忠夫

 5、暁の鐘に己をかへりみむ       裕雄

 6、 青さを変えぬ空のともしさ     和伸

 7、突き出でし杉の一本なお伸びよ    宜博

 8、 神も照覧あれとこそ聞け      忠夫

 9、弾きすさぶ調べいつしか興に乗り   正謹

10、 早雲流れ楽をとよもす       紅舟

11、東は在明細き涼しさに        和伸

12、 貝寄せもよき季のうつろひ     裕雄

13、津の国の花の盛りをたずねまし    忠夫

14、 声に導く幼な鶯          宜博

連歌-11

 

 連歌ー11

二表

 1、富士の峰は又なき上に空髙し     和伸
2、 人穴暗くつづく話も        忠夫

 3、こはいもの見たさに仲間連れだちて  裕雄
4、 とどまるもあり先立つもあり    牟世

 5、やうがまし役どころまつまつりごと  正謹
6、 思ひは同じ昔も今も        忠夫

 7、海よりもなほ拠りがたき女男の境   宜博
8、 波枕より手枕がよき        紅舟

 9、雪を聴く離れ小島の旅の宿      裕雄
10、 流され人の声しのびつつ      忠夫

11、取りめでて八尺に余る弓の丈     和伸
12、 歌舞伎の幕の降りてしづけし    紅舟

13、月見れば浮かるる心ととのひて    正謹
14、 野を鳴きわけし虫もさまざま    宜博

連歌ー10 初裏

 

初裏
1、絵師の筆思ふにまかせ運びゆく    忠夫
2、 朝な夕なにつづくたびびと     裕雄
3、百年に開く帳(とばり)の仏たち   宜博
4、 大き小さき滝のいろいろ      忠夫
5、柔肌の透けたる白き水衣       紅舟
6、 くぐれば龍の宮城の富       裕雄
7、力なく鷹は鳩ともなりつらん     宜博
8、 春をもたらす風ありがたし     正謹
9、花満つる枝に揺らるる皇子の籃    紅舟
10、 朧月夜の睦まじき影        裕雄
11、かろき世に重き恋などなしてみむ   牟世
12、 七代を限る契りはかなし      宜博
13、末野まで焦がれこがれの草紅葉    和伸
14、 残る暑さを耐え堪えて幾日     正謹

連歌ー9 初表

 

長月賦何人連歌百韻

         於 紅林文庫七賢亭
於 紅舟美術館連歌所
宗匠 藤江 正謹
執筆 筒井 紅舟
賦何人連歌
初表
1、湧くごとき萩のひと家と尋ねはや   和伸

 2、 流るる川の音のさやけさ      忠夫

 3、高々と遠き山の端月出でて      裕雄

 4、 折から群れし雁わたり来る     宜博

 5、まれ人のこころにかなふ竹の色    正謹

 6、 姿そのままゆづりうけたり     牟世

 7、庵の戸を繰りて眺むる石の庭     紅舟

 8、 ひくき雲より雪しづむころ     和伸

連歌ー8 名残裏

 

名残裏

 1、島めぐる船もまばらになりゆきて   忠夫

 2、 津々浦々に帰る村あり       裕雄

 3、要あらば磯魚漁り食せ町のひと    正謹

 4、 とぎれとぎれに道つづくらん    宜博

5、いくたびも出合う標(しるべ)のやさしくて 牟世

 6、 透き渡殿(すきわたどの)をわたるやは東風(こち)紅舟

 7、狩衣(かりぎぬ)に花降る宵の又となし

 8、 春の筵に七賢人         執筆

有川宜博ー6、筒井柏全ー1 島津忠夫ー6 藤江正謹ー6
光田和伸ー6 筒井紅舟ー7 鶴岡裕雄ー6 堀江牟世ー6
       この項 了