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連歌ー20

 

 連歌ー20
名残裏

1、掃き目よき白砂に聞く潮の音      正謹

2、 海女の苫屋といふはたはぶれ     忠夫

3、渡り来し珍(うず)の香りの何やらん  宜博

4、 天にも届く夏雲の峰         和伸

5、時ならぬ氷雨は石をひたに打つ     紅舟

6、 いざ飛び立てと親鳥の声       裕雄

7、さればこそ行きつ戻りつ花の道     忠夫

8、 敷島なべてうららかな日々      執筆

島津忠夫 8   有川宜博 6
筒井紅舟 6   堀江牟世 3
鶴崎裕雄 7   光田和伸 6
藤江正謹 7   筒井柏全 1

連歌ー19

 

  名残表

 1、斧の柄の朽木の谷に飛ぶ蛍       裕雄

 2、 若狭に越ゆる手だて途絶えて     忠夫

 3、さこそまで雪に訪ふべき人やある    宜博

 4、 身をそぎて得る幸の重たさ      正謹

 5、焼き上ぐる赤楽茶碗宙(そら)を抱く  紅舟

 6、 水の姿はただおのづから       宜博

 7、歌人のいまはひそかに寺を守る     忠夫

 8、 紅さし指は何にせよとや       和伸

 9、別れより逢わぬ恋路を選び来し     正謹

10、 すすきの原は思い出の中       裕雄

11、小面の内より覗く月くはし       紅舟

12、 笛のひびきも身にしむるころ     忠夫

13、あらばやの幾たりを野に送りつる    和伸

14、 着せたき衣にむなしさを知る     裕雄

連歌ー18

 

初裏

 1、あげまきの心めざましき夕まぐれ  忠夫

 2、 身に添うごとく風薫るらむ    宜博

 3、群れなさぬそは一本の杜若     正謹

 4、 情けも深き八つ橋の沢      紅舟

 5、鐘の音は昔変わらぬひびきあり    柏全

6、 竹の庵の旨酒に酔う        牟世

 7、破れ障子さのみいとはぬくらしにて  紅舟

 8、 いつとはなけれ人を待つ燠(おき) 和伸

 9、しづけさに思いつのれる冬の月    正謹

10、 山あり川も美しき村        忠夫

11、力なく名もなく霞むわがさだめ    裕雄

12、  芽ぶけ世に出よあふげいにしへ  和伸

13、神さびのみちにふたたび花を見ん   宜博

14、 長閑に過ぎる時を頼みに      正謹

連歌ー17

 

島津忠夫先生ご叙勲記念連歌

於 紅林文庫七賢亭

宗匠 鶴崎 裕雄
執筆 堀江 牟世

  賦何草連歌

 初表

 1、山の端ややうやく今日の月出でぬ  忠夫

 2、 輿を迎える屋戸の初萩      紅舟

 3、年ごとの虫の声々聞きあかで    裕雄

 4、 寂ぶる机にうず高き書      正謹

 5、水茎の跡もゆかしき歌あまた    宜博

6、 綾ぎぬなびく舟君の舞      牟世

7、羽根ならで鄙の長手は尽くしつつ  和伸

 8、 牛飼う野辺を覆う雨雲      裕雄