月別アーカイブ: 2017年3月

連歌ー37

名残表

1、 輿入れは荷駄も通はぬ峡の村     正謹
2、 思ひもかけぬ大水の出て        忠夫
3、 たぎつ瀬の那智の御社いかばかり  宜博
4、 ま青なる空たぢろがぬ雲        正謹
5、 うつむきて校歌を聞ける球児らに   和伸
6、 作者を知れば名ある人なり       忠夫
7、 奥座敷色紙短冊とりかこみ       裕雄
8、 伏籠の衣かをりたつ閑          紅舟
9、 藤原と源氏の姫の争ひに        忠夫
10、 痛みは探し軽き言の葉         正謹
11、 旅寝する涙も月に堰かねて      牟世
12、 今にも待つと告げよ秋風        宜博
13、 つづりさせ鳴くてふ虫も雌を求め   忠夫
14、 命短し露の芝道             裕雄

——–

初表
はやし
1、歌いざや竹の曲(はやし)に月もがな   宜博
2、虫の声はた惜しむべき宵         紅舟
3、大野ろに鹿呼ぶ勢子のひそむらん     正謹
4、仮庵の軒覆ふ白萩            柏全
5、川舟の漕ぎゆく水の清くして       忠夫
6、涼しき雲を笠の道づれ          牟世
7、いかがはと、思ふ夕立こともなし     和伸
8、鴉の群もしづまりし森          裕雄

連歌ー36

名残裏

1、片隅を照らす業こそ賢けれ    宜博

2、 かすめる月の夕べ涼しき    正謹

3、端居してさらり着流す麻衣    紅舟

4、 濁りにしまぬ篠笛の音     牟世

5、風よ吹けなほも聞きたし村はづれ 裕雄

6、 ちまたに立てるをさびとの占  忠夫

7、朝影に盛りの花の匂ひいで    朋世

8、 若草のぶる息長の道      執筆

連歌ー35

名残表

1、つがなきままに暮れゆく夕煙     紅舟

2、 広前きよき醜淵の神        和伸

3、住めばよし隔つ都は遠くとも     正謹

4、 あぶく銭手に夫婦酒酌む      紅舟

5、繰る糸を誰が縒り合はす恋ならん   宜博

6、 飾り苧環家苞にして        正謹

7、雨もよひ山ほととぎす鳴き去りぬ   忠夫

8、 涙な添へそ月のなき夜       裕雄

9、行なふは只我が為ぞそぞろ寒     正謹

10、 野分見舞ひに人は来るとも     忠夫

11、紅葉ばはまだき散りたる鮎の群    裕雄

12、 八つの眺めも美はしき国      紅舟

13、峠路を越ゆればそこは雪ばかり    忠夫

14、 とはに絶やさぬ比叡の灯火     正謹

連歌ー34

初裏

1、雪除けの深き庇に朝の蜘珠      紅舟

2、光集めし雫きらめき         正謹

3、奥琵琶の入江の彼のしづかにて    裕雄

4、それかと見ゆる島のみごとさ     正謹

5、神々に捧げし宝幾万         宜博

6、人に知られぬ思ひつのれば      忠夫

7、書きはして届けぬ文を火にくべて   朋世

8、 見上ぐる月のかこち顔なる     裕雄

9、三界に宿なく秋は時雨つつ      宜博

10、天上天下身にしむる頃       忠夫

11、選ぶ人選ばるる人昨日今日     裕雄

12、貧しき道も暖かき空        和伸

13、ひたすらに待てば甲斐ある花心   宜博

14、春の名残の閑かなること      牟世