百人一首とカルタ-2

百人一首とカルタ-2

海野 弘

歌かるた、いろはかるたに共通するのは、読み上げがあることだ。和歌やことわざが節をつけて読まれ、音楽的にも楽しい。読み手と取り手がいる。
このように、カルタは西洋から入ってきたが、日本では二つの流れに分かれたようである。トラ
ンプ・カード、花札の流れでは、ゲームは基本的に個人の勝負であり、閉鎖的で、カードは伏せられている。
歌かるた、いろはかるたの流れでは、読み上げというパフォーマンスが開かれた場をつくり、カードもすべてさらされている。
西洋のカードの輸入、天正かるた、うんすんかるた、という流れからは、歌かるた、いろはかるたの発生は見えてこない。
これまでいわれているのは、日本の伝統的な遊び〈合せもの〉などが西洋のカルタに結びついたという説である。左右二手に分かれて、それぞれが出したものの優劣を競う。絵合せ、歌合せ、鶯合せ、香合せ、貝合せなどがあった。
(合せもの)では、数字の大小といった勝負を決める客観的なルールがないので、優劣が決めにくい。美意識という主観的な評価にまかされるのである。それぞれが弁護をし、判者が判定する。
したがって、ゲームだけでなく、ゲームを通して美的教養を学ぶことになる。
また、公開の場で、オープンに討論されるので、みんなが参加することができる。
カード・ゲームの個人性、密室性と対比的である。

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