小倉百人一首に歴史を読む-2

小倉百人一首に歴史を読む-2

海野 弘

平安朝以前の歌人は、天智天皇、持続天皇、柿本人麿、山部赤人、猿丸大夫、中納言家持、安倍
仲麿の七人である。
天智天皇ではじまっているところが興味深い。大化の改新によって律令政治をはじめた。中国の
律令制度をとり入れ、豪族の連合のような固から統一的な国家への道を歩み出した。天智の死後、
後継者をめぐり、天智の弟、大海人皇子と天智の子大友皇子が争い、大海人は蜂起し、勝利する。
天皇家の内乱である壬申の乱(六七二) である。
大海人は天武天皇となった。天武が没すると、その妻が持統天皇になった。
大宝律令が出され、七一〇年、平城京に移った。正式にはこの時が奈良時代のはじめとなる。『古
事記』 『風土記』 『日本書紀』がまとめられた。
七八五年、大伴家持が没した。『万葉集』をまとめたのは彼ではないかといわれている。そして彼
の死は、奈良時代の終わりを告げていた。
天智の大化の改新、天武の壬申の乱の勝利によって、豪族の旧勢力が排除され、律令国家が成立
した。それは中国、朝鮮など大陸との関係が厳しくなり、日本も国家として自立しなければならな
い時であった。歴史がまとめられたこと、『万葉集』という日本の歌がまとめられたことは、そのあ
らわれであった。

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