49-大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)

 

 百人一首百彩-49

海野 弘

49-大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)
詞花集 題しらず

御垣守(みかきもり)衛士(えじ)のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ
〔宮中の門を守る衛士の焚くかかり火は、夜は燃えて、昼は消えている。私の心も夜は燃え上るが、昼は消えそうになり、強気と弱気のくりかえしで、思い悩んでいるのだ〕

大中臣能宣(九二一-九九一)は伊勢神宮の神官であるが、歌人としても知られる。梨壷の五人の中に選ばれた。神官でありながらかなり多くの歌をつくつている。坊主の歌人もいるのだから、神主の歌人も不思議ではないかもしれない。
村上、冷泉、円融、花山、一条の時代、十世紀半ばから十一世紀はじめにかけて、「梨壷の五人」(大中臣能宣、清原元輔、源順、紀時文、坂上望城) のように、歌人が仕事として認められ、専門歌人があらわれる。それぞれ職業はあっても、宮廷に呼び出されて、かなりの時間を和歌に割くことが許される。和歌が一つの技術・学問として認知されるのだ。          も
大中臣能宣なども、専門歌人のはしりではなかったろうか。

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