[ 1.早春の伊豆 ] [ 2.「ソラ・マメ」いのちの誕生 ]
 
早春の伊豆
 作 桐山健一

 

 伊豆多賀駅を出る。ソメイヨシノは眩しい光に淡虹色にキラメク。
「ホーケキョ ケキョ ケキョ・・・」
海はエメラルドにキラキラ輝く。
僕は海の青さに見とれている。白い船が水平線に向かって白い航跡を引く。
トンネルに入る。今日はトンネルを長く長く感じる。心が青春の色に湧き立っている。トンネルを抜けると眩しい光は心に躍動する。

 そよ風、水の音色、淡い光。
「ホーケキョ ケキョ ケキョ・・・」
『田園』の音色。僕は露天風呂で心の中の青年と語っている。青年は時空を超えた漱石だったり、啄木だったりヘミングウエイだったり。

 目を開けるとコバルトブルーの青い空。僕はしばらくこの青さに見とれていた。

 

開運道トップへもどる