| |
ヒヨドリ |
| |
粉雪が舞う朝
|
| ヒヨドリが帰ってきた |
| どこを旅してきたのだろう |
| 仲間と一緒に |
| 危険いっぱいの海洋を |
| 子供をつれて渡ってきたのだろう |
| 辿り着いた先で仲間と別れ |
| 自分のふるさとへやってきた |
| |
| ピィ― ピィ― |
| あの甲高い鳴き声は |
| 帰郷の知らせ |
| |
| 私は閉ざされた部屋で |
| キーを操る指を止め |
| 懐かしいさえずりを聴き入った |
| |
| 欅の梢で羽づくろいする |
| 青灰色の頭 煙黒色の長い尾 |
| 精悍な姿の出で立ちで |
| ヒヨドリの家族は |
| この地で生きる準備をしている |
| |
| 凍てついた沈黙の世界の中で |
| 今だ覚めやらぬ日々 |
| |
| ヒヨドリの帰郷は |
| 春の訪れの近づいたことを |
| 私に告げにやって来たのです |
| |
|