[ 1.ヒヨドリ ] [ 2.優しい輪が世界に広がる ]
 
    ヒヨドリ
 

粉雪が舞う朝

ヒヨドリが帰ってきた
どこを旅してきたのだろう
仲間と一緒に
危険いっぱいの海洋を
子供をつれて渡ってきたのだろう
辿り着いた先で仲間と別れ
自分のふるさとへやってきた
 
ピィ― ピィ―
あの甲高い鳴き声は
帰郷の知らせ
 
私は閉ざされた部屋で
キーを操る指を止め
懐かしいさえずりを聴き入った
 
欅の梢で羽づくろいする
青灰色の頭 煙黒色の長い尾
精悍な姿の出で立ちで
ヒヨドリの家族は
この地で生きる準備をしている
 
凍てついた沈黙の世界の中で
今だ覚めやらぬ日々
 
ヒヨドリの帰郷は
春の訪れの近づいたことを
私に告げにやって来たのです
 
開運道トップへもどる