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先生方の作品集


エッセイ

原爆の日に思うこと

西川嘉伸

 10数年も前、ニューヨークにいた頃、昼食会に出席した時のことである。お偉い方の講演が始まる前の食事中、同じテーブルに座っていたアメリカ人3人が嫌な話をしていた。当時、広島と長崎に落とされた原爆のことが話題になっていた。彼らは、原爆があったからこそ、日本の本土の大半が焦土化することなく、日本を無条件降伏させることができたのだというのである。私は抑えがたい憤りを感じながらも黙っておれなくなっていた。

 その時、一人が、テーブルの真向かいにいた私を見て、日本人であることを確かめ、「あなたは広島と長崎に投下された原爆のことをどう思っていますか」と言う。私は、日本へ行ったこともないと言うその3人に対して、「あなた方は、その議論をする前に広島や長崎に行っていただきたい。私は何人かのアメリカ人や外国人を案内しましたが、原爆の博物館を見た後で、あなた方のような発言をした人は誰もいませんでした」と言って沈黙し、会話は終わった。

 昨年であったか、テレビを見ていた時、途中からではあったが、広島の原爆被害に会われたご夫婦と米国の爆弾投下の直接当事者との対談の番組を見た。彼は、現地を視察し、原爆の資料を見て、そのご夫婦の体験談を聞いた。「原爆投下の感想」を求められると、その米国人は「後悔していない。パールハーバーの復讐だ」と言い、罪のない人達をこれだけ苦しめてもいいのかとの質問にも、同じ回答であった。私は心臓が凍る思いであった。

 今年も広島と長崎で原爆犠牲者の慰霊式典があったが、「核廃絶」は被爆者の方、ご家族の方はじめ、日本人全員の願いである。米国人の意識や北朝鮮の核の問題など、残念な現状に失望していた。しかし、「核廃絶」目指す決意を表明した米国のオバマ大統領の演説は希望の光明である。核を使った米国と核の被爆国の日本の新しい関係が始まった。期待したい。


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