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先生方の作品集

あの日に戻りたい

村山 恵美子

 昨年末受けた健康診断の結果が送られてきた。
中性脂肪、悪玉コレステロール値、高い。最低血圧も高い。
肥満度BMIはあとほんのわずかで基準値を超え肥満域に入ってしまうぎりぎりの剣が峰状態。惨憺たる結果だ。
 
 血糖値も基準値内ではあるものの上限値に近い。まあいいさと小さな気の緩みから、昨年体重をじわりじわりと増やしてしまったツケがこの検査数値なのだろうと思う。  
半年で6キロも体重は増えた。6キロといったら赤ん坊を二人背負ったのと一緒ではないか。ほんの数年前まで「やせぎみ」と「標準」の間を行ったり来たりの細身体型だったのよ。なんて今言ったところで誰も信じてはくれまい。
 
 私は栄養士免許を持っている。
冗談でも法螺でもなく本当に免許所有者なのだ。食品のカロリーはもちろん、減量のためにはどういったものをどのくらい食べたらいいのか、学生のころ詳しく学んだ。それなのに…である。穴があったら入りたいとはこのことだ。ああ情けない。栄養を学んだなんて、金輪際言わないようにしなくちゃ。
「お母さんこのごろなんだか太いよね。胴体が、まん丸だよ」
台所に立っている私に向かって、後ろから夫が言う。
「ああそうだよ。知ってるよそんなこと」
 正しい指摘がイタイ。言われなくても知ってますと憮然と開き直る。

 代謝力の低下した痩せにくい中年女とはいえ、なにかしなくては。よし、まずは運動だとウォーキングを始めた。氷点下25度の冷えこみだろうと横殴りの風雪だろうと休まず毎日雪道を歩いている。
 まだ目に見える変化はない。いや違う、変化はある。筋肉がついたのだろうか太ももはむしろ太く硬くなったような気がするのだ。えーっ? いやだ。こんな変化を求めちゃいないのに。
 でも、継続は力なりと言うから、そのうち期待する変化がきっとあるのだろうと、オメデタイ私は懸命に腕を振り、モデルのように腰を揺らして歩いている。諦めなければきっとあの日の私に戻れるはずだ。と、どこまでも私はオメデタイ。


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