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先生方の作品集

愛されたかった天使たち

               村山 恵美子

 幼い子どもが虐待を受け亡くなってしまう痛ましい事例が後を立たない。
しかも大多数が実の親からの虐待とは、いったいどうしたと言うのだ。
ひもじい。寒い。痛い。苦しい。寂しい。辛さの日々を過ごし死んでいった小さな心と身体を思うとき、だれかの懐に抱かれ安らぎを感じた瞬間が1回でもいい1秒でもいい、天使になった子どもの記憶の中にあってくれたならと願はずにはいられない。

 我が身を顧みて、育児が嫌になったことなど数え切れない。そのたびに感情的に理不尽な八つ当たりをして子どもの心を傷つけたのだろう。と、今になって思う。ただただ、「すまないことをした」「申し訳なかった」と己の未熟さをわびるしかない。

 騒がしくてうるさくて言うことを聞かなくて、自分で生んでおきながら時には邪魔だと感じ憎憎しく思えたこともあった。だが、笑顔と寝顔は実に可愛らしかった。眠る頬を人差し指でつんつんしてみたりしたものだ。だから、ただ無心に眠る愛らしい顔を見ると憎さも静まり次の朝を迎えられた。

 皆、そうではないのだろうか。乳房に吸い付くあの顔をいとおしく見つめたことや、「おかーさん!」と飛びついてくる子ども独特の甘い匂いを感じた瞬間を、そんなに簡単に忘れてしまうものなのだろうか。

 この世での短い命を終え旅立った子どもたち。
せめて今はどこかで、笑って駆け回っていてほしい。


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