龍馬と刀剣ー6

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龍馬と刀剣ー6

龍馬は短刀合口拵(あいくちこしらえ)を誂えていた。慶応二年五月二十九日、龍馬は海援隊士・寺内新左衛門から借金をして、研代、拵え代を払っている。当時、海援隊士は龍馬を含めて、月給三両二分であったと言われているので、約一カ月分の給料をそれに注ぎ込んだことになる。
この頃の龍馬の行動を表にしてみる (表1)。
龍馬は薩長同盟成立の翌日(正確には二十四日未明)、伏見・寺田屋で幕更に襲撃され負傷し、約一カ月、京都・薩摩藩邸で療養した後、お龍、西郷隆盛、小松帯刀、吉井幸輔等と共に薩摩藩船・三邦丸で鹿児島へ赴いている。そして、約三カ月、薩摩藩内に滞在し、この間にお龍と共に塩浸(ひたし)温泉、霧島山へ遊んでいる。
五月二十九日は鹿児島を離れるにあたり、西郷へ別れの挨拶に訪れた日である。そして、その日は、刀・無銘備前兼元の研磨、短刀の研磨、合口掠が仕上り受け取った日でもあったのである。
翌日、六月」打、龍馬とお龍は桜島丸(ユニオン号)に乗船、二日に鹿児島港を出航している。

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第250回 幕末史研究会

記念となる節目の例会ですので素晴らしい講師をお迎えすること
になりました。中世の第一人者 五味文彦 先生です。
日時 3月25日(土) 午後2時から4時
会場 武蔵野商工会館 4階
吉祥寺駅中央口 から徒歩5分
吉祥寺第一ホテル近く
講師 五味 文彦 先生  東京大学教授
テーマ  「織田信長の政権構想」
信長の政権構想は朝廷との関係が要点となる。
幕末の龍馬・後藤象二郎・容堂たち土佐藩も長州藩、薩摩藩も朝廷との関係に
注意をはらっていた。
申し込み 2月20日から3月24日まで80名
幕末史研究会
事務所:〒180-0006 武蔵野市中町2-21-16
FAX・O422-51-4727/電話・090-6115-8068(小美濃)
Eメール:spgh4349@adagio.ocn.ne.jp
プログアドレス:http://blogs.yahoo.co.jp/bakumatsushiken

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龍馬と刀剣ー5

2月11日(土)に霞会館で行われた 「第8回高知家ふるさとミーティング」は大盛況、定員2百名を遥かに超えて立席のパネルディスカッションになりました。タイトルは「 龍馬暗殺直前の手紙をひも解く」、演壇には尾崎高知県知事、坂本家子孫、宮川京都歴史博物館首席研究員に私(小美濃)です。
龍馬暗殺5日目の手紙に龍馬は「新⁺国家」の三文字を書いています。
龍馬がいかに新しい国づくりに燃えていたかが良く分かる手紙です。

 

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龍馬と刀剣ー5
『刀剣図考』三巻と白鞠の短刀。
この組み合せは何を意味しているのであろうか。『刀剣図考』は外装の専門書である。
ここで刀剣趣味を持っている人であれば、すぐに気付くことがある。    甘
刀剣の外装号作る時、歴史上の人物が差料とした刀剣の外装や有名な神社・仏閣の外装を模写することがある。
ほんか            うつ
(本科)といわれる外装をモデルとして、(写し)といわ
れるコピーの外装を作るということが、刀剣趣味の世界で
はよく行われている。
鎌倉時代の外装を室町時代に模す、室町時代の外装を江
戸時代に模すということが常に行われていたのである。
外装は刀装ともいい、「拵(こしらえ)」ともいう。
龍馬は「刀剣図考」という参考書を基に白鞘の短刀に新しく外装を作ろうとしていたのではないかと、推定できる。
では龍馬が才谷梅太郎の変名を使っていた頃、短刀の外装(掠)をあつらえたという記録が残っていないだろうか。
『坂本龍馬手帳摘要』というものが残っていた。龍馬の備忘録であり、慶応元年四月二十五日(1865・5・19)から始まっている。その慶応二年五月の項に次の記録がある。

廿九日 (1866・7・11)
四両三歩金
右寺内氏ヨリ借用セリ。
又弐両寺内ヨリ、
右短刀合口コシラへヽならびに研
備前兼元無銘刀研代。
合テ三両二朱余払フ。

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第250回
記念となる節目の例会ですので素晴らしい講師をお迎えすること
になりました。中世の第一人者 五味文彦 先生です。
日時 3月25日(土) 午後2時から4時
会場 武蔵野商工会館 4階
吉祥寺駅中央口 から徒歩5分
吉祥寺第一ホテル近く
講師 五味 文彦 先生  東京大学教授
テーマ  「織田信長の政権構想」
信長の政権構想は朝廷との関係が要点となる。
幕末の龍馬・後藤象二郎・容堂たち土佐藩も長州藩、薩摩藩も朝廷との関係に
注意をはらっていた。
申し込み 2月20日から3月24日まで80名
幕末史研究会
事務所:〒180-0006 武蔵野市中町2-21-16
FAX・O422-51-4727/電話・090-6115-8068(小美濃)
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龍馬と刀剣ー4

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龍馬と刀剣ー4

小美濃清明
部屋には本がそれと判るところに置いたままになっている。それもー種類の本ではなく何種もあるのであろう。女性が本を間違う可能性があるので、本の外形を図にして書簡の冒頭に載せ、表題を「刀剣図考」と書き込み、寸法まで加えている。横が約六寸(一八センチ)、たてが約三寸(九センチ) である。
さらに本の内容を(太刀の絵がかいてあるナリ)と説明している。
かなり念の入った書き方である。女性への細かい配慮が感じられる。
白鞘の短刀は箪笥の引出しの中に収納されている。本は出したままである。この状況から、用事が済めば龍馬はこの宿に戻って来るつもりであろう。別の宿に移ったとか、旅に出てしまったわけではない。
龍馬は出先で急に『刀剣図考』三巻と白鞘の短刀が必要となった。しかし、龍馬自身がそれを取りに戻ることができない事情があった。そこで筆を取ったのである。
この書簡により本と白鞘の短刀は、女性の依頼を受けた使者によって、龍馬の居る場所へ届くことになる。それも長時間かかる距離ではない。宿から日帰りできる範囲へ龍馬は出かけている。
この書簡は簡単に書いたメモのようなものである。メモであったので、宛名も日付も記入しなかったのである。
この状況全体から感じられる雰囲気に緊迫感はない。龍馬自身に危険が迫っているといった状況ではなく、むしろ「のんびりした日常生活
の断片」といった印象である。
くつろいだ雰囲気の中で龍馬は本と短刀を必要としている。


龍馬と刀剣ー3

 

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龍馬と刀剣ー3

小美濃清明

宛先不明の書簡
〔刀剣図考〕 栗原孫之丞信充(のぶみつ)によって著わされた刀装の本。刀剣の外装専門書。
主に歴史上の人物や有名神社、仏閣の刀装が絵図で描かれていて、簡単な解説が付いている。〔年月日〕 未詳。

〔宛先〕未詳。
『坂本龍馬全集』(光風社出版)を編述された宮地佐一郎氏は「土佐勤王志士遺墨集」の宛先・姉乙女説、岩崎鏡川の宛先・後藤象二郎説に対して「しかし、果して本状が、乙女、或いは後藤に与えたものであろうか。文章はもっと親しい相手、殊に辞句のくずし方は女性向きである。例えば妻お龍かあるいは寺田屋お登勢へと推定される。」と解説されている。
龍馬が書き残した書簡を読んでみると、明らかに宛先によって文体が異なっている。特に女性に宛てたものは文体が平明で、かなを多用し、漢字にかなを振るなど気遣いが感じられる。
この書簡は明らかに女性宛であり、内容からいってごく親しい女性と見るべきであり、宮地氏の説は正鵠を射ていると思う。
また、この書簡が書かれた場所に関して宮地氏は(『やどにてかりてあるたんす』とある。その宿は下関本陣伊藤家か、(伏見寺田屋か、それとも長崎海援隊本部小曽根家であろうか。宛先き年月も未考のまま掲げておく。)とされている。
下関、伏見、長崎、この三カ所以外にこの書簡が書かれた場所はないのだろうか。
この書簡を現代語訳してみる。
「刀剣図考」
この本が三巻あります。右の本をお届けいただきたい。太刀の絵が描いてあります。

宿で借りてあるたんすのひきだしの下の端のひきだしに白鞘の短刀がある。お届けいただきたい。
才谷梅太郎謹んであなたの使者に頼みます。

まず、この書簡の書かれた状況を正確に再現してみる。

龍馬は本と白鞘の短刀を持って来て下さいと筆を走らせている。この書簡を宿で受け取るのは女性である。この女性は龍馬が宿泊している部屋へ入り、龍馬の所持品の中から、たのまれた品物を捜し出すことができるごく親しい間柄である。
龍馬は宿から箪笥を借りるほどの長逗留をしている。その宿から龍馬は外出していて、この書簡を書いている。

 

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第249回 幕末史研究会のご案内
日 時 2017年2月19日(日)午後2:00から4:00
会 場  御殿山コミュニテーセンター 2階  吉祥寺駅中央口徒歩8分
講 師 近藤圭二氏(こんどうけいじ・新選組研究会史誠会)
テーマ  「新選組の戊辰戦争一戊辰戦争勃発から土方歳三の死まで」
会 費  一般 1500円  大学生 500円  高校生以下無料
講義内容 京都の治安維持を任務とした新選組は、否応なく戊辰戦争に巻き込まれていきます。戊辰戦争での組織の変遷と戦い模様につい
て話します。
講師略歴
1960年 愛知県生まれ 早稲田大学法学部卒
司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』を読んで衝撃を受け、以後、日本各地の土方歳三の足跡を追う。
1999年幕末や戊辰戦争について学ぼうとの趣旨で史誠会を結成し現在にいたる。
共著『新選組戦記』『決定版新選組・白虎隊・彰義隊のすべて』以上新人物往来社刊。
下記 FAX・Eメールに2月18日(土)までに申し込み下さい
幕末史研究会
事務所:〒180-0006 武蔵野市中町2-21-16
FAX・O422-51-4727/電話・090-6115-8068(小美濃)
Eメール:spgh4349@adagio.ocn.ne.jp
プログアドレス:http://blogs.yahoo.co.jp/bakumatsushiken

第250回 幕末史研究会のご案内
記念となる節目の例会ですので素晴らしい講師をお迎えします。
講師 五味文彦先生(東京大学教授)
中世研究の第一人者です。
日時 4月22日(土) 午後2時から4時
会場 武蔵野商工会館 4階
吉祥寺駅中央口 から徒歩5分 吉祥寺第一ホテル近く
テーマ  「織田信長の政権構想」仮題
講演仮題は検討中、一ヶ月前に決定します。
この予告は小美濃が担当いたします。
FAX・O422-51-4727/電話・090-6115-8068(小美濃)
Eメール:spgh4349@adagio.ocn.ne.jp
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